鳳鳴は祖父の俳号

日記 メモ そんなの

田舎のうわさとその対応

 座敷の長机の上に金槌を放置してたら母から強盗が来るから片付けろと言われた。そんな強盗は事前に用意してからくるよと思いながら片付けた後、母が近所の家が強盗に、と言いかける。強盗に入られたの?と聞き返すといや、強盗をして捕まったのだと。同じ場所にいた父はそんな話はやめろと言ってこの話は終わりになったのだが、どうも気になるのでちょっと調べてから母に聞いてみた。

 強盗の話は誰から聞いた?××さんから。その家に警察が家宅捜索に入ってそれ以来その家は無人だから、と。ちょっと待って。なんか事件があって警察がきた。これは事実ね。そしてその後その家は無人になった。でも、これだけで強盗をしたという話にはならないよね?家宅捜索があったことと無人になったことは関係ないかもしれないじゃない。誰かが確認したの?と言うとそうかもしれない、とうわさに過ぎないことを認めたような様子だった。

 私は田舎のうわさ、狭い集団でのうわさが嫌いだ。昔の職場でも○○さんは何々だって、というような話をする奴にそれは誰から聞いたのかと問い詰めるとはぐらかしたり言いよどんだりする。△△って言われてますよ、と言ってくる奴もいたがそれはお前が私に対して思っていることを言っているのではないか。

 数年くらい前だが同級生を車に乗せて走っていた。そうしたら離婚してるって聞いたけどどうなの?と尋ねてくる。誰だそういうことを言う奴は田舎のおばはんかほんとに下衆いいったい誰なんだそういうことをうわさするのは!と強めに言ったらいや、そんなこと聞いたから、と。まあ私もだいたいわかっている。お前だろう。東京に住んでても心根は田舎者だなおい、とは言わなかったがそういう感想だ。
 こういったうわさを広めたり作ろうとしている人はおそらく自覚はない。相手に強く言われて初めてあまりよくないことだと気付く。そして自分が興味本位で知りたい、対象に直接聞けないようなことを、匿名の他者を借りて聞くのだ。

 これに対して正直に答える必要はないよ。相手はウソを使って質問しているのだからまともに取り合うことはないし気に病む必要もない。心のなかの知人リストに要注意マークを付けるだけだ。