鳳鳴は祖父の俳号

日記 メモ そんなの

お夜のコーヒー

お昼のコーヒー 一杯無料
お夜のコーヒー 一杯百円

 中華料理店で見かけたサービスメニュー。皆さん違和感を感じると思います。一方で日本語覚えたての人は丁寧語をなんでも同じように付けてしまうのだなあと思ったのですが、「お昼」が例外なんです。

 一日のうちのある時間帯を表す言葉 「朝」「昼」「夜」「明け方」 「夕方」 などは丁寧語の「お」が付きません。
ではなんで「お昼」だけ?これは昼が昼食を表す言葉でもあるため。広辞苑によると(3)ひるめし。昼食。「そろそろーにしよう」という例がある。他の言葉にはない。
 つまり、以下のように読める。
 昼のコーヒー → 昼の時間帯のコーヒー、昼ごはん(のお供)のコーヒー
 夜のコーヒー → 夜の時間帯のコーヒー

 お昼のコーヒーは、昼ごはんの供のコーヒーと読めるのに対し、お夜のコーヒーが変に感じるのは、夜が時間帯を表す意味だけ持っているので、これに丁寧語の「お」が付くのはおかしいことになる。

 「昼にしよう」という言葉が状況によっては昼の時間に作業しよう、または昼食にしようと両方の解釈があるが、これが「お昼」になると昼食の意味しかない。「夜にしよう」という言葉が夜食にしようという意味で通じるようになれば、あるいは「お夜にしよう」は違和感がなくなっていくかもしれない。