鳳鳴は祖父の俳号

日記 メモ そんなの

通院にて

 病院で会計の呼び出し待ち。階下から唸るような「あーもう」といったような声が聞こえる。だんだんその声が大きくなってきた。カウンターまで来てなにやら苦情を言ってる。さっきまでカフェでいい気分でいたのに母親との関係がどうとか先生が先週と言っていることが違うとか。受付の人も大変だ。病院の先生ではないのにそういう話を聞いてあげたりして。この人、前回病院に来た時もいた。私の後ろの席で周囲に聞こえるような大きなため息を何度もついていた。
 で、調剤薬局へ行く。人がいなくてこれはすぐ済むなと思ってたら化粧室から大きな声が。携帯電話で話しているようだ。ああもううんざりといった感じで出てきたのはさっきの人。これはやばい、と思ってたら薬局のカウンターで先程と同じようなことを述べ始めついにはカウンターを激しく叩きながら絶叫し始める。大人の女性の金切り声は大変苦手なのでそっと外に出て車の中で待つことにした。ここにも声が届く。昼はラーメン屋にでも行こうかなと思っていたけど間に合うかな。しかしあの人、自分が世界の中心なのだろう。他の客に迷惑だとは想像もできんのだろうなあ。彼女にとって私なんぞはモブキャラでしょうよ。私も彼女の物語には関わりたくないけど。お医者さんやカウンセラーなら仕事なので対応もできるが、客商売のカウンターの人は大変だ。薬局の人は追い出すこともできずずっとなだめていたのだろう。なにやら看護師さんが保護に来たみたい。そして薬局の人が車の中にいる私の所まで薬を届けてくれた。申し訳ない。
 あの手の人々はよりそういう人が多そうな首都圏にいた時にも見かけたが、木製のカウンターは叩いてもその上の液晶ディスプレイを壊したりとかそういうことはしないのよね。ある一線を越えたらいかんというのは知ってるみたいで。自分よりも弱そうな女性などを狙って絡んでくるのもそうで、私なんかがじっと見つめたりすると目をそらして知らんぷりするもんね。それは本能的なものかもしれない。
 なおラーメン屋に行ったら改装中だった。